成長終了後
第二大臼歯を抜いて親知らずを利用した治療例

<症例情報まとめ>
  • 主訴
    上の歯と下の歯があわない(前歯部反対咬合)
  • 診断名
    Skeletal Cl Ⅲ Crossbite(反対咬合)→ 叢生
  • 年齢
    18歳
  • 主な装置
    マルチブラケット装置、顎間ゴム、保定装置
  • 抜歯部位
    上下左右第2大臼歯
  • 治療期間
    I期治療:5年1か月、II期治療:1年2か月
  • 治療費
    264,000円+税 調節料
  • リスク
    歯肉退縮、ブラックトライアングル、歯根吸収、顎関節症状等

前歯の凸凹の改善を行なう上で抜歯が必要であれば小臼歯を抜いてその場所を凸凹の改善に利用することが一般的です。
ただ、前歯と唇の前後的位置を変化させる必要が無く、親知らずがその手前の第二大臼歯に引っかかっていて、第二大臼歯に虫歯や治療跡があり、親知らずの形がよい場合には、小臼歯の代わりに第二大臼歯を抜いて治療することがあります。

条件が揃っていなければ採用できない治療法ですが、歯の連続性が保たれ、治療上犠牲とする歯が少なく済む利点のある治療法です。

治療前

下の親知らずが手前の第二大臼歯に当たっています。

そこで上下の第二大臼歯を抜いて親知らずが使えるようになるのを待ちます。

親知らずが出てきた状態です。

右下の親知らずは前に倒れて出てきています。
親知らずの出方を確認してブラケットを用いた治療に入ります。

下が治療後ですが、口元はほとんど変化しませんでした。

治療後

倒れていた下の親知らずも真っ直ぐにし、上の親知らずと噛み合わせます。

この方法の欠点とすると、親知らずが出るまで治療を行なえないこと、親知らずの形が第二大臼歯と異なる点などが挙げられます。