成長期
成長期の過蓋咬合(噛み合わせが深すぎる)治療例
<症例情報まとめ>
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主訴糸切り歯のねじれ、下前歯の歯並び
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診断名Dentoalveolar Cl II div. II(歯槽性上顎前突)、Deep bite(過蓋咬合)
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年齢13歳
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主な装置ヘッドギア、咬合挙上板、セクショナルアーチ、マルチブラケット装置、顎間ゴム、保定装置
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抜歯部位なし(非抜歯)
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治療期間I期治療:1年3か月、II期治療:2年2か月
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治療費450,000円+税 調節料
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リスク歯肉退縮、ブラックトライアングル、歯根吸収、顎関節症状等
上の前歯は下の前歯を3mmくらい覆うのが正常ですが、下の前歯が見えなくなるくらいかぶさってしまう状態を過蓋咬合といいます。
過蓋咬合による問題は上の前歯の裏側に食べ物を押し付けてしまうため、上の前歯の裏の歯茎が腫れやすくなってしまうことです。
また、過蓋咬合の場合には上の前歯が内側に向いていることが多く、下あごが後方に押しこまれるため顎関節症が生じやすいとされています。
過蓋咬合の原因としては、上のあごの上下的な長さが長かったり下あごが小さいなどと骨格に原因がある場合と、上の前歯が下に伸びすぎていたり、奥歯が無くなったのを放置した場合など、歯に原因があるものに大別されます。
この男性は上あごの上下的な長さが長く、また上の前歯が下に伸びすぎてるため下の前歯が全く見えず、笑った時に上の歯茎だけ見える状態でした。
成長期の患者さんでしたので、上の前歯を上方に引き上げ、口の中では咬合挙上板という器具も併用して前歯の被さる量を減らしました。
治療後には笑った時に前歯の見える量が増加し、下の前歯の見える量も増えています。
過蓋咬合は再発しやすい不正咬合のため、しっかりとした管理が必要です。
4年後の状態です。